2009年6月1日月曜日

h21.6.1 他人の気持ちを思いやることとデートDV

  デートDVを取り上げた神戸新聞の記事があった。

 4月27日の「現在を語る-兵庫へのメッセージ-交際中の若い男女間の暴力防ぐには」(神谷郁代記者)です。記事は神戸市看護大学助産学専攻科高田昌代教授へのインタビューによって書かれている。



(1) 一般的なDVとはどう違うのか。

 暴力の振るう行為は同じ。被害者が女性が大半なのも同じ。しかし思春期、青年期の異性への興味や関心と、異性への愛情がどういうものか分からないことから生まれる。

(2) 拘束を愛情と誤解する

 相手を自分のものと思いこむ。女性も最初は心配してくれていると思う。やがて居場所を絶えずチェックされる。他の男性との会話も制限される。反論すると怒り暴力行為に及ぶ。男性に罪の意識はない。女性は恐怖や苦痛でで無力化して抵抗しなくなる。

(3) なぜDVが起きるのか

 男、女とはこうあるべきものという社会通念、慣習が悪い方に災いしている。DVは暴力を手段として、弱者を支配することに目的がある。

(4) 最近の傾向や特徴

 携帯電話の普及で相手を拘束しやすくなった。コミュニケーション能力の低下で、相手の気持ちを汲み取れない人が増えた。

(5) DV防止には何が必要か

 発達段階に応じた教育が必要。「幼児期から命の重みや自分らしく生きることの大切さを教え、自尊感情が持てるようになれば、相手を一人の人間として尊重できるはず。それがDV防止につながる。」

 記事の概要は以上です。
 
幼児期に自分の思い通りにならないということを知る時があります。相手のおもちゃがほしい。ほしいの一念で相手のことお構いなしで取り合いをする。親からそれはいけないことだと諫められて、その認識を自分のものにするのにかなり時間がかかって苦労する。それで自分のものと他人のものの区別ができる。この認識をしっかり身につけていないとDV防止は難しい。DV事件が増加しているということは、その認識を持った若者が育っていないということである。親をはじめとする大人が、子どもたちに社会性を身につけさせる躾あるいは指導をきっちりしなければ、この現状は改善できない。(2009.6.1)